おじいちゃん2

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インスタ映え婆さんの声だ。 「あら?今日は豆造さん嫁さんの話ししないんかい?」 「あぁ、最近嫁が優しくてつまらん」 「なんじゃよ、鬼嫁とか言うてて優しくなったらつまらんよとは」 「婆さんが死んでから、嫁に言われて毎日日記を書かされてたんだけどもよ、最近は『お父さん、ボケない様に一緒に勉強しましょ?』とか言うてな、毎日問題を出すんだけどよ、それが難しくてな」 えっ?初耳だ。 「あ~ボケ防止かい。確かに必要だわなぁ」 別の爺さんがしみじみと言った。 それを聞いていた俺の友達が 「何かドライブスルー爺さん元気ないぞ」と小声で言った。俺も少し心配だ。 そこに別の爺さんが 「うちの嫁も鬼嫁だわ!この前電球が切れてな、付け替えながら『お父さん、これLEDって言ってすご~く寿命が長いのよ』だと!俺の方が寿命が短いみたいにいいやがって!」 そこに寂しげに婆さんが続けた 「でもな、年には叶わんよ。この前ピンポーン宅配ですって聞こえたから急いで玄関に行ったら、誰もいなくて不在票があってな、悲しくなったわ」 別の爺さん 「ワシもなこの前、家の中の段差でつまづいて転んだんよ、したら俺の橫をその段差を軽々と超えて来たルンバが通り過ぎよった。情けないぞぉ」 友達が「なんか笑っていいんだかなんだかわからなくなって来たな」と言うと、爺ちゃんがトイレと言った声が聞こえた。俺は慌ててトイレの方に背中を向ける様に回転し顔をスマホで隠した。 それからも他の爺さん婆さんの話しは続いていた。 「また旅行とか行きたいのぉ、暖かい沖縄なんかいいのぉ」 爺さん 「そうよのぉ、もうパスポートいらんしのぉ」 その言葉に友達のひとりが反応してしまった 「えっ?沖縄にパスポート?」 それが聞こえたお爺さんが 「そうよ、昔はパスポートがいったんよ」と俺達に向かって答えてくれちゃった。 ヤバイぞ、ここに爺ちゃんがトイレから帰ってきたら! 「あっ!俺用事思い出した。先帰るわ!」と慌てて荷物を持ち店を出た。
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