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三人でテレビを見ながらテーブルを囲み夕食を食べている。
「お父さん、テレビばかり見てないでちゃんと食べて下さい」
母さんがまるで子供を叱るみたいに
爺ちゃんに注意をしている。
爺ちゃんは「おぅ……」と空返事。テレビではカップルの彼女が彼氏に「あーん!」と何かを口に入れてあげる場面で爺ちゃんまで口をあーんと開けていた。
「もうお父さん、何一緒にやってんの!そのうち私があーんしてあげるから」と母さんが言うと。
「へっ?してくれるんか?」
「ラブラブのじゃないわよ?介護の方!」
そうだよな、同じあーんでも意味が違う。でも何だかんだ爺ちゃんは嬉しそうだ。
「あ~っ!」
急に母さんが声を上げて席を立った。
「なんじゃい美佐子さん、静かにご飯食べんと!」
さっきと逆だ。
「洗濯物取り込むの忘れちゃった」
「んなもん、食べてからでもよかろ?」
「何言ってんの、ただでさえお父さんが鬼嫁って有名人にしてくれてるんだから、ご近所から見られたらまた何言われるかわからないじゃない」
えっ?母さん知ってたんだ、かといって怒っている様子でもない。この二人はどうなってんだ?と交互に二人の顔を見ていた。
「取り敢えず入れて来る。食べてて」
「ハイハイ」
と爺ちゃは黙々と食べている。
「ギャァ~~」ズドドドド!
「な、なんじゃ!今の地響きは!」
俺も驚いた。母さんの悲鳴と共に階段から大きな音がした。
音の方に行ってみると、散らばった洗濯物の下に母さんがいる。
階段から落ちた!
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