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「「母さん!美佐子さん!」」
俺は洗濯物を掻き分け母さんを見た。
「い、いたい……」
「何処?何処が痛いの?」
俺は慌てた。爺ちゃんはワラワラしている。
「とにかく俺に捕まれる?」
「ちと待て!美佐子さん頭は打っちょるか?」
その問いに母さんは少し頷いた。
「賢人、動かしちゃ駄目だ」
「わかった、でも階段の途中じゃずり落ちちゃうよ」
「押さえとけ!わしが救急車を呼んでやる!」
「うん、頼む」
だが俺は少し不安になり
「爺ちゃん!スマホスピーカーにして!」
「はっ?なんじゃと?」
「そのラッパのマークを押して!」
「わかった!正露丸じゃな?」
母さんまでが「「はっ?」」
「え~っと救急車、救急車」
[ピッピッピッポーン!ただいま……]
「爺ちゃんそれ117時報だろ!」
その時母さんが
「賢人痛いの、それに落ちちゃう」
俺は押さえなおした。爺ちゃんがかけ直している。
[はい、海上保安庁です!]
「あれ?」
爺ちゃんが首を捻っている。
「爺ちゃん!何処にかけてんだよ!」
「賢人、落ちちゃう!」
「はいよ、押さえてっからもう少しまって!」
爺ちゃんがまたかけ直している。
[はい、番号案内です]
「あ、あのすんません救急車は?」
104はわかるんかい!
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