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「――二度とそのツラ見せんな」  じんじんと頬が痛む。 殴られたと分かったのは、頬の痛みと口の中に広がる鉄の味。殴られた衝撃で床に倒れこんだ。目の前がちかちかする。これがお星さまが飛んでいる状態かなんて暢気に思っている場合じゃない。殴られた頬を抑えながら、殴った真壁を見れば、それだけ言って図書室から出て行ってしまった。 真壁を見た時に何か言おうと思ったけれど、何も浮かんでこなかった。 図書室にいた他の生徒が真壁がいなくなってから駆け寄ってくる。体を起こすのを手伝ってもらう。まともに殴られたことは初めてで、自分が思っていたよりもショックが大きかったらしい。 「大丈夫?」 「保健室行こう」 それに「大丈夫」と「心配してくれてありがとう」とだけ返して、外の声を遮断する。 どうして殴られる羽目になったのか、順を追って考えることにした。
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