とある女の子の話…「子供の頃」続き

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******** 俺は、父親との最後のやり取りを全てサンに伝えた。 サンはうん、うん、と頷きながら聞き、俺が話終わると暫く俺の頭を撫でてくれた。 そして開口一番、こう言った。 「良かったね。」 え、、、、 父に捨てられた傷心の俺に良かった、、って。。 戸惑っていると、サンは更に目を輝かせて続けた。 「これで正式な一族の人間だね」 「…ああ、、そうだった。そうなるね…」 「無事に戻る事が出来た事も、良かったと思っている。」 「…うん、そうだね。」 「一年前の事件と比べると大違いだ。」 「…うん」 「時間になっても、連絡取れないから安否不明だって父さん達が騒いでさ…」 「…俺もあんな事になるなんて思ってもみなかった。」 面会日事件にはちょっとしたおまけがある。 …俺の安否不明に居ても立っても居られなったサンが独りで俺を探しに出たのだ。 ミイラ取りがミイラになる… サンの安否も一時分からなくなり、村中大騒ぎだった。 だから、村に戻ってもサンの顔を見かけなかったんだ、と納得した。 サンはちゃんとここに居る。 だから、無事に村に戻って来た。 無論、村に戻ってからは大人達にこってり絞られたらしい。 「…あのね、シイ、実は…今だから白状するけど…」 「…?」 「俺、行方不明になったあの時、、怪しい奴に捕まったの」 「……え、、ええっーー?!!!」 「相手が油断している隙にボコって逃げたから結果的に大丈夫だったんだけど…」 「……!!!」 「父さん達が言う通り…俺達を捕まえようとする悪い奴って実在すんのな、ははっ」 怒りで自分自身ががプルプル震えてるのが分かる。 同時に、おじさんがいつもサンに怒って説教かます気持ちも分かった。 人攫いは昔話なんかじゃなく、今の世も存在する。 俺達一族は身体的特徴のおかげで、昔から標的になりがちだった。 ペット感覚で、欲しがる輩、 呪いの生贄、 口にするのも気が滅入る。 一族が保守的傾向に傾いたのも無理はないと、秋色瞳を持つ俺も思う。 「はははっ、じゃないよ!!」 俺が怒鳴るとサンはキョトンとした表情を見せて、ズレた事を言ってきた。 「はははっ、じゃなくて、ははって笑ったんだよ…?」 「そういう問題じゃないよ!…結果的に無事だったってだけの話でしょ?!」 「…」 「いつも通り、感情任せのノープランだったんでしょ?」 「…う、、」 「パニックって、俺を助けなきゃって飛び出した」 「……」 「おじさんの気持ちが今痛いほど分かった」 「…父さんの話はやめてよ!」 サンの目の色が険しい色に変わる。 おじさんの事は地雷だと分かっても、俺は責める事を止められなかった。 「頭良いくせに、考え無しだからだよ!っ頭良い学校通っているくせに…」 これは俺も言い過ぎた。 後で、思い返して反省したんだけど。 覆水盆に還らず。 気の短いサンに俺は頭から何かを派手にかけられた。 頭から足まで、俺自身が臭くなる。 馬糞だった。 後で取り込み予定の半乾きの馬糞。 「何やってんのー!!」 お決まりの様におばさんが飛んで来て怒り出す。 だけどサンも俺と同じ位、怒りでプルプル震えている。 おばさんの声に答えない。 「騒がしいから来てみたらっ!…謝りなさい、サン!」 「嫌っっ!!」 「馬糞の事、謝りなさいって言ってんの!原因は後で聞く…」 おばさんが話終わらない内に、サンがもう一つの山盛り馬糞のバケツを俺に浴びせた。 「…サンっ!っ今日は一日中、この小屋で謹慎しなさい!!馬糞はそのままよ!」 おばさんがさっきよりも大きな声で怒鳴る。 俺は…二度目に浴びせられた馬糞が完全に乾いていた事を、不幸中の幸と思う事にした。 俺は湯浴みに後、馬糞意外の事でおばさんに叱られた。 そして、サンと二人で散らかった小屋を片付けるよう言い付けられた。 『その後で、二人で食事しなさい、…夕飯、ヤギのサワー煮込みよ』 俺達二人の大好物だ。 俺達一族は皆で、食事を取るのが日常だ。 二人で仲良く頭が冷やす。 そして好物に舌鼓を打ち、暖かい気持ちで、反省しろ、、という訳だ。 おばさんはある意味、人心掌握が上手い。 ********* お使いを頼まれた幼子の様にサンの謹慎場所に直行する。 不貞腐れているかと思いきや、意外にもサンは勉強していた。 「何勉強してるの?」 邪魔をされて不機嫌そうに返事をされる。 「…亜鉄数哲学」 「…アっテツ…???」 「……ゴンフォワ紀おける炭元の基準をミュール値に置き換えて…」 「に、ニューるち」 「ミュール値!」 「それって、、、何?」 「バイスルよりも小さな単位を………いや、…もういい。」 「……………今、俺を馬鹿にしたでしょっ…」 「………………………してない。」 「…俺にはサンのそういうの分かるよっ!…っ!」 「してないったら、してないんだよ!!」 「…今度はウザって顔してる」 「…」 「…馬糞かける前と同じ表情…」 「………………続き、しに来たの?」 振り出しに戻る馬鹿…俺は自分がそのレッテルを己にペタンと貼り付けようとしてる。 サンは無表情だけど、両眉の眉尻が下がっている。 困っているのだ。 俺には分かる。 そして、サンの頭も完全にさっきのケンカから冷めている。 それも、自分の事の様に分かるのだ。 それを察した瞬間、右肩上がりを始めた怒りの沸点が氷水の様に下がる。 俺達は写鏡だ。 改めてそう自覚した。 「…俺もごめん。」 素直に謝罪の言葉が出る。 「…馬糞かけられて謝るなよ、俺の方が明らかにやりすぎだったし。」 「…まあ、、ね」 「ひとつ気になってんだけど」 「…?」 「秘密の抜け道の事。…他の誰かに言った?」 「母さんとか、、あの様子じゃ絶対探り入れてきたでしょ?」 「…うん、でも、言わなかったよ」 サンがホッとした表情をみせた。 「でも何かあるって感づいている…感じする」 流石、親子。 サンも勘が鋭い時は鋭い。 ズレてる時の方が圧倒的に多いけど。 「母さん、やたら鋭いときあるから。喧嘩よりもそっちが気になって仕方なかった」 「サンだって、ミイラ取りがミイラになった時も聞かれたんでしょ?戻った時さ」 「…誤魔化したよ。」 サンが勉強道具を片付け始めながら話を続ける。 「俺…勝手に外に出るのは危険だと分かった上でシイに父親と話してこいって背中推した。」 さっきのケンカで一番話さなきゃいけない部分をサンが語り出す。 「気持ちに落とし前つけなきゃ、シイ…前に進めないって思ったから」 「…」 「…逆に俺の場合も同じ。俺はシイの無事を自分の目で確認しなきゃ…学校に戻ってこんな小面倒な教科勉強してられない」 「…」 「…やったちゃった後で、色々文句いうのは無し、だよ」 「…………うん」 「…思う所あるなら、最初から俺に提案に乗らなきゃいい。…俺は強要しないよ」 「ごめん」 サンはニコリと笑っった。 一番気になった事言えてスッキリしたんだろう。 「じゃあ、この話はお終い!…こんな事になったから、抜け道は塞ごう。」 「…え」 「ケチついちゃったし」 「…それはいいけど、おばさんに白状してから閉じる、締めくくりが良くない?」 サンが半目になって俺を睨んだ。 「…嘘や、隠し事は嫌いよっって母さんに詰め寄られたんでしょ?」 嫌いよって部分まで、サンが母親の口調を真似して言った。 俺は思わず、吹き出して笑いそうになった。 いやいや、笑っている場合じゃない。 俺はおじさんもおばさんも大好きだ。 だから誠実に対応したい。 それを言うとシイは言った。 「本当の事ゲロったら、いつもの説教パターンで終わりだよ、意味なし!」 「…心が痛むよ」 「もう、抜け道は使いません!…遵守する事が誠意と思えばいいよ!」 あっけらかんと締め括られる。 その内、そうかも?って気持ちに、俺もなる。 そのタイミングで、腹のむしが鳴り出す。 「仕舞い、終い!…飯、ご飯!」 「…サン、その前に風呂入った方が良くない?」 「…馬糞臭い?」 「…うん」 「ずっと馬糞の隣に居たからね…」 「…不思議。直接付くよりも、同じ空間に居る方が臭うんだね」 お互いケラケラ笑って小屋を出る。 そして抜け道の事は綺麗サッパリ忘れてしまった。 これが良くない結果を生む要素になる。 俺とサンが無邪気にジャレ合うのはこの日が最後になる。 無邪気な最後の思い出は馬糞の臭いってのどうよって思う。 だけど、無性に戻りたいと願う。 戻って、素直に村の大人達に白状するんだ。 抜け道の事。 そうすれば、 俺達一族は変わらない生活をずっと過ごしてたのかもしれない。 変わらないと言う退屈に不満を言う贅沢。 出来なくなって初めてそれが本当の贅沢だと知った。 ********* 沢山の蝋燭で照らし出されるご馳走。 美しいはないが、芳ばしい香りの大皿に盛られた料理。 白く濁ったお酒。 思い思いに歓談する一族の人達。 サンの三度目の帰省祝い。 『二人共、お年頃だものね〜』 語尾に〜が付いている時点で、この発言者のサンの母親…おばさんは酔っ払っている。 堅物のおじさんが、そんなおばさんを窘める。 こんなやり取りはこの夫婦の平常運転。 お決まりのやり取りに周りも微笑ましく態度を見せる。 『何いってんのさ』 『また変な事言って!』 平常運転の二人にはこんなの感じで答える事が多い俺とサン。 だけども、その時の俺達はそんな余裕が無かった。 俺たちが平常運転出来ない理由。 嫉妬。 俺の嫉妬。 俺から勝手に始めた子供っぽい嫉妬。 冷たい表情で隣に座るサン。 物理的距離があっても、心はお互い思い合っていた。 隣に座る今日、こんなにサンの存在が遠く感じる。 初めてだった。 こんな感覚は。 ********* 「シイ、サンの学校、君も見てみたい?」 おじさんが聞いてきた。 サンの恒例の帰省は半年も先。 サンがどんな風に暮らして居るかは俺も興味があった。 だから一も二もなく 「見たい!行きたい!」 と返事した。 おじさんが目を細めて微笑みながら俺を見た。 「だいぶ、自分の気持ちを言えるようになったね、いい事だ。」 くすぐったい気持ちで一杯になった胸を押さえて俺は言った。 「こっちの学校に通っていた時のサンは、いつもつまらなさそうだったから、気になって」 「…北氏から聞いている様子では…友人達と上手くやっているらしい。」 「…ここではあんなに喧嘩ばっかだったのに?」 「…環境変われば、人は変わるものだね。」 こんな調子で俺とおじさん、南さん含む数名の大人とサンのステイ先へ向かう。 ちなみに、俺が父さんに捨てられて、1年後の出来事だ。 今までの流れならサンが数名護衛付きで、帰省してた。 今回は、サンの学校生活を覗いてから一緒に帰省しては?との北氏の提案でそうなった。 俺は初めて感じる都会の空気に浮つきながら、サンの学校に足を踏み入れる。 だけども、 『見なきゃ良かった』 『来なきゃ良かった』 帰り道で、俺の頭の中にあった後悔で埋め尽くされる。 刺激的な都会の雰囲気に比例する様に浮つく俺の心。 帰路でこんなに凹む事になるなんて… 隣に大好きなサンが居るのにだ。 ********* 武術の授業だった。 「クラスで敵う生徒もいなくてね…」 武術の教師が見学前に俺達にサンの普段の様子を伝えてくれた。 うん、知っている。 サンは俺と同じ学校の時もそうだった。 飛び級で進学して年上のクラスで、勉強する。 勿論、武術もだ。 クラスの子どころか、先生をも打ち負かす。 最後に俺が見た時は、武術用具をぞんざいに扱うサンの姿。 つまらなさそうに外の景色を見ていた。 こっちの学校では、サンは何をするにもつまらなさそうだった。 休み時間に俺の所に遊びに来る意外は。 俺達お上りさんは、最初、遠巻きに下のクラスをサポートするサンをながめる。 この学校でのサンの様子は前の学校と違った。 サンが積極的に自ら提案し、落ちこぼれた下のクラスの子をサポートしている。 何より驚きなのが、楽しそうなのだ。 ブスっと…つまらなさそうにしていた記憶の中のサン。 俺の目の前にいるサンは、冗談を交えて談笑すらしている。 そのようすが嬉しくもあり、誇らしかった。 その後で、所属する学年内で試合があった。 大勢の生徒が控えの椅子に座って居る。 俺はサンのクラスのあたりを眺めていた。 サンが姿を現したときだ。 同級生の連中が一瞬、戸惑った顔で互いを見合わせる。 それから、そそくさと道をあける。 白けた表情したサンがその間を通る。 サンの通る周りだけスペースが空く。 モーゼの十戒に様な光景だ。 …サンはクラス内で浮き気味のようだ。 さっきの下級生の中で見たサンと別人みたいだった。 だけど、俺にとってはこっちのサンの方が、俺の知っているサンだったけど。 その時、前の席に座っていた奴が手を上げてサンに目配せした。 そして空いている自分の隣を指す。 サンが方向転換してソイツの傍迄来ると、隣に座った。 そして、お疲れ、と言わんばかりに、肩をの背中をポンポンと叩いた。 2、3言葉を交わす。 その後は、特に親しげな様子を見せる事無く、只々、試合観戦している。 サンは俺が見慣れたブスッとした表情をしているだけだ。 途中、サンが俺達の存在に気付いたらしく、手を軽くふってきた。 俺達も軽く振り返す。 俺が観察した学校生活のサンはそれだけだ。 なのに、俺の心の中は、モヤモヤとした負の感情が渦巻く。 何なのだろう、この気持ち。 これ以上、こんなサンを見ていたくない。 そして何よりも嫌なのが、その何かが分からない自分のアホな部分だ。 嫌、嫌、嫌、嫌、 俺の中が嫌でみたされる。 そんな時状態だからなのか、 帰省の道中、俺は自分がどうしていたかあまり覚えてない。 こんな状態だから、サンも異変に気付いた筈だ。 でも、今回の帰省したサンは何だか余所余所しかった。 そして先程の様な、帰省祝いも兼ねての簡単な宴会になる。 俺の変な様子にサンも気付いている。 そのせいかサンも俺に余所余所しかった。 本当に合わせ鏡だ、俺達。 以前思った事が思い出される。 その言葉にまた凹む。 俺はいたたまれなくなってその場から離れ、沼地に行った。 ********* 沼地 サンが不貞腐れ、一人になる場所。 サンが居なくなってからは俺だけの場所になった。 ランタンに灯りで見つめてぼーっとしているとサンが来た。 俺は少し緊張する。 A いつも通り、ズケズケ言いたい事を言って怒る。 B そっと抱きしめてくれる。 今までなら、AかBのいずれかを俺達は取ってきた。 そして、それがきっかけになり、仲直りをする。 ところがここでも俺たちの平常運転は発動しなかった。 「シイ、これ読んで」 いきなり本を渡される。 俺は黙ったまま、差し出される本を見た。 『宇宙図鑑』 大人になった頃に、この事を思い出す。 そして毎回、本のタイトルを思い出し、「ベタなタイトル」と含み笑いする。 だけど、閉鎖的環境で暮らす、当時の俺は知らない事が一杯だった。 表紙のイラストである丸い物を見て、頭の中が???だらけになった。 何よりも、サンの意図がわからない。 「何、これ」 「宇宙。この空のずーっと彼方に惑星が幾つもあるんだよ」 指で、表紙の丸い物を指し、星空を見上げてサンが言った。 丸い物の正体は判明した。 けど、相変わらず、サンの意図がわからず俺は困惑して言葉が出ない。 「紙飛行機の事覚えて居る?」 サンが視線を星空から俺に移す。 「父さんの手紙で作ったやつ飛ばしてさ…」 『紙飛行機、落ちた所が境界線ね』 その話を思い出した途端、俺はサンとの距離が昔と同じになった錯覚に陥る。 村社会に嫌気が指し、世界を広げたがってたいたサン。 「サンの飛ばしたやつ…きっと遠くまで飛んだんだよ」 「…」 「…少なくとも、今の学校の所までね」 「…それじゃ、まだまだ不満だよ」 サンがさらりと否定した。 「俺は、宇宙までみたい…もっともっと広い所まで行きたい」 サンはそういうと本を俺の胸に押し込む様にして続けた。 「紙飛行機の話…俺、東にも話した。そしたら、その本くれた。」 「東?」 「…会っただろ?いや、違う。…見ただけか」 「?」 「公開試合の時、シイ、俺に手をふったでしょ?」 モヤモヤが不意に蘇る。 モーゼの十戒部分から…俺の脳内でそのシーンが再生される。 「俺の隣に座っていたやつ」 やっぱり。 モヤモヤが勢いを増す。 「…そしたら、東が言ったんだ。…俺も一緒に紙飛行機探しに行くよって」 サンが目を輝かせて言った。 ふと、その輝きが癪に障る。 俺は唐突にモヤモヤした感情の名前を発見した。 『嫉妬』 「東はいい奴だから、シイも気にいるよ。三人で行けたら面白くない?」 俺の嫉妬が思いもよらぬ行動を取らせる。 俺は両手でシイの顔を覆う。 宇宙大全が乱暴に床に落ちる。 沼地の泥で本が汚れた。 何でそんな事したのか。 思い返せば、きっとあの頃の心境はこうだったのだろう。 癪に障る事を言う口を、黙らせたい。 嫉妬で醜い顔した俺を、見ないで欲しい。 当時は明確にそんな二点は意識して無かったけど。 ただ、不思議な事にサンは顔を覆う俺の手にそのままに…身を任せていた。 …だけど暫く俺がそうしたせいで、段々と苦しくなったんだろう。 サンが乱暴に俺の手を払い除ける。 少しパニックったサンの顔が俺の目に映る。 苦しそうに、ハアハアと息をする。 俺は払い除けられた手で、サンの頬を覆う。 苦しそうな口を自分の口で塞いだ。 今でも覚えている。 あの時のサンの大きく見開いた目。 赤と黄色の虹彩の面積が狭くなりなり、瞳孔が大きく開いていた。 俺は乱暴にサンの肩を掴み、自分から引き離した。 「俺は、行かない」 自分でも驚くほど、冷静な声だった。 サンは相変わらず、びっくりした顔で俺を凝視していた。 クルリと俺は踵を返し、沼地を後にする。 最後に俺が目にしたのは、沼地の泥に半分浸かる、宇宙大全の姿だった。
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