147.

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147. 娘である久美がこれから兵士となり命をこの国に捧げる覚悟があるのか? 俺は信じる事が出来なかった。 「山本医師…いやアンドロイドサイバー」 「あなたは、この国を守るため…」 「多臓器停止病原菌「キケン」によって人々を冬眠状態させ…」 「兵士にする事を目論んでいたのですか?」 「…」 一瞬、山本は黙り込んだが… 「結論を言えばその通りだ…」 「私はマザーセイバーのようにはならない…」 「私は死んではならないのだよ…」 「この国のために…」 俺はこの時一つの疑問が? 「アンドロイドサイバー…」 「一つ疑問がある…」 「繭のような物体から孵化した人々の兵士としての意志はあるのですか?」 「…」 すると山本が… 「人々の兵士としての意志ねぇ?」 山本は軽く答えた。 「これは融合なのだよ…」 「融合?」 俺が言葉を返すと… 「そう融合…」 「マザーセイバーが多臓器停止病原菌「キケン」を創り人々を冬眠状態にした…」 「そして、戦争が起こりマザーセイバーは一人で戦士として死んだ…」 「次に私が考えたのは…」 「戦力となる兵士を…」 「そこで兵士としての心構えなど…」 「あとは体力、智力を備え付けた人間…兵士の育成なのだよ…」 「そのために多臓器停止病原菌「キケン」によって冬眠状態になった人々を…」 「繭の様な物体…カプセルに収納する事で…」 「兵士としての心構えや体力、智力が備え付き…」 「最強の兵士として孵化するのです…」 「すると女性でも同じなのですか?」 「同じです…」 俺は怒りを通り越していた。 「アンドロイドサイバー…人間、一人ひとりの意志はどうなるのでしょうか?」 「勿論、尊重したい…」 「しかし…」 「この国を守るため…」 「この様な手段を取ったのだよ….」 繭のような物体は、人間を最強ソルジャーに創り上げるカプセルであった。 俺はここで母親と楽しそうに話す久美に… 「久美、体調はどうだ?」 「何言ってんの?」 「凄くいいよ!」 「久美、お前これから兵士として国を守る覚悟はあるのか?」 すると久美は大きく頷いた… 俺と妻美希は… 笑顔を久美に見せた。
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