とある団塊世代の四国遍路日記 第一回区切り打ち       写真;佐喜浜から室戸岬方面を望む

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第十四日目 帰路 平成19年11月20日(火)晴れ   四国における昨日までの日々は、日中では全て晴れの日であった。そして、今日も晴れであるが、なにか心残りのする朝である。AM8:00に「BHタウン駅前」を出て、時間待ちのために高知駅のバスターミナルの喫茶店でボンヤリと過ごしている。  AM8:50高知駅発の高速バスで大阪に向かうが、車窓より眺める四国の山々が懐かしく思える。徳島に入ると焼山寺の山並みや一番札所~十番札所を案内する標識を見ると、ここを歩き通した時間の流れが走馬灯の様に脳裏を駆け巡っている。そんな思い入れの中で、近い内に必ずここに来ると堅い決意を胸にきざみ、鳴門大橋より去り行く四国の山並みを見つめていた。 【雑感】  今回は四国遍路の第一回区切り打ちとして阿波から土佐高知まで、札所にすると第一番霊山寺から第三十番善楽寺までの遍路になった。事前に読んだ先人達の遍路記録では四国で体験した様々な出来事や心に刻んだ感銘の記載があった。そんな出来事や感銘に自分も出会えるのかと、いささか不安な気持ちがあったが、実際その場面に出会うと語り尽くせない新鮮な気持になったのも事実である。    第一番目に感じた心とした「小学生の挨拶」 第二番目に感じた心とした「接待所での対応」 第三番目に感じた心とした「石仏への思い」 第四番目に感じた心とした「遍路とは歩くことに見つけたり」 第五番目に感じた心とした「同行二人」 第六番目に感じた心とした「人とのふれ合い」 これらは、四国遍路が持つ多くの側面のほんの一部であろうと思え、またこれらを感じることが出来るか出来ないかの一面もあるだろう。しかし、ここまでの遍路旅においては、教えと戒めと充実を感じた日々であった。そして、これから八十八カ所と言う全ての札所を巡り結願に至るまでには、また幾多の場面に出会うことになるはずである。それらを通し自分とは何なのか、今までの人生とは何であったのか、これからの人生はどうあるのかを、見出すことが出来ればと考えている。このことに期待しながらも、今までに感じた心を、これからの人生の中に生かしていければと思うばかりである。
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