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【第0話】バース性
今回舞台となる世界には、性別とは別に【バース性】というものが存在します。
バース性は3つ。
まずα。階級としては一番上で、超のつくエリート層。
αは優秀な遺伝子を持っていると言われており、世間的にも生まれただけで絶対的な信頼を築いています。
そしてαはΩ(後ほど説明します)を惹き付けるフェロモンを放っています。
稀に、ααというフェロモンが特に強い希少種が存在しますが、滅多にありません。
そうですね、居たとしてもせいぜい全人口の1%くらいでしょうか。
と・も・か・く、ααは、他のαより、Ωを惹き付けやすいことにはかわりありません。
ちなみに、αはα同士の結婚は多いですが、近年Ωとの結婚も増えてきています。
次がβ。階級としては中くらい。
就職には不利にも有利にもなりません。大学で研究者になりたいといっても、「αには敵わないだろうけど頑張れ」と言われるだけですね、はい。
ある意味安定している性だと言えます。
ちなみによほど強くないとαのフェロモンにもΩのフェロモンにも反応しません。
βはβ同士の結婚が多いです。
最後にΩ。階級は一番下、と言えるでしょうか。
一ヶ月くらいの周期で【発情期】(ヒート)があります。一週間くらい続きますが、その間は種残しのことしか考えられなくなります。
そして、発情期の間はフェロモンがでます。
αがこの匂いを嗅ぐと、致さずにはいられなくなり、仕事に悪影響が出るのでΩは生活支援を受けていることが多いです。
近年では、フェロモン抑制剤も出ており、だいぶ働きやすくなりました。
しかし、Ωには一ヶ月の間、7日間の休みが保証されており、まだまだ厄介者扱いされていることが多いです。
そして、Ωは男であっても妊娠します。
Ωとαは、Ωの発情時において、Ωのうなじを噛むことで【番】となります。
番は恋人や家族よりも強い関係と言われており、番になるとお互いにしか発情しないようになるのです。
そして、急性的にαが発情(ラット)することがあります。
これはこの世界ではお互いが【運命の番】であることを意味しています。
運命の番であったら、それまでαだったのに急にΩになるなんてこともあるみたいですよ。
ところで私は誰かって?
それは秘密です。
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