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「はじめまして。連絡をいただきました……」
言いよどむ青年に、迎えの男性は微笑んだ。
「お待ちしてました。
今日は絶好の天候ですから、きっと成功するでしょう」
連絡が正しいと知ると、青年は安心したようだ。
「曽祖父から伝わってましたけど、みんな、作り話だろうと。
なので、連絡をいただいた時は驚きました」
「彼は私達の恩人ですから、子孫の方をお迎えできて嬉しいです。
主人も待ってますので、ご案内いたします」
その言葉に、青年が窺うように尋ねてきた。
「あの……主人という方は、違いますよね」
「はい。
貴方の曽祖父様と面会したのは二代目で、今の当主は五代目になります。
彼女は研究を大きく進めたんですが、若くして……彼女の遺志を継いだ方達が、ついに成功させたんです。
曽祖父様との約束を果たすことができて光栄です」
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