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挙動不審?
「えっ」
彼女は、小さな声を上げて、オレの方を見た。
そして、なぜかジーッとオレの眼を見詰めて来た。
「なんで? なんでそう思うの?」
畳み掛けるように聞いてきた。ちょっと狼狽えている様に思えた。
「だって。同じ学校じゃなきゃ、オレのこと知らないでしょ?」
ブラフを掛ける、というのはこういう事を言うのかなと思った。
そして若干、オレは犯人の取り調べをしている様な気がしていた。
だが、彼女は意外にも開き直ったかのようにニヤと笑って、鼻でフフンと言った。
「SNSっていうのがあるの、知ってる?」
「SNS? もちろん。ツイッターとか、フェイスブックとか、そういう……。あ!」
そうなのだ。
今のこの時代。
一般人でも、多少活躍していれば、顔や名前が知られていても不思議ではないのだ。
内心、オレはがっくりと来ていた。
彼女の正体が探れると思ったのが、肩透かしを食らった気がしたのだ。
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