頭上でサンバ

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頭上でサンバ

「テメー、何すんだよ!」  は、盆暮れ正月が同時にやって来て、オレの頭の上で浅草サンバカーニバルが盛大に開催されるが如くの大パニックに陥っていた。 「な、何って。嬉しくてつい」  連のヤツは、なぜか顔を赤らめて下を向いて、あろうことか舌をペロッと出した。  イラッ 「嬉しくて、ついじゃねー!」  ドンッ  オレは、満場の観客の目も忘れて、連を突き飛ばした。  ざわ、ざわざわ  圧倒的に熱を帯びた喚声が、冷ややかなざわめきに変わったのが、背筋の寒気と共に伝わってきた。 ー何、あれ。変じゃね? ー喧嘩? 喧嘩してんの? ー誰か、チュー意してやれよ藁
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