〈第3部〉第5話 ※

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障子戸の先にいる優介に聞かせるようにわざとらしく囁きかけると、藤堂は夏生の中から自身を引き抜き、箪笥の上に置かれた小さな紙包みを手に取り夏生の元へと戻る。 「そうだ、今日はこれを試してみようかと思っていてね」 紙包みを開くと中には白い錠剤が入っていた。 「今度うちで取り扱う予定の薬だ。まだ本土では認可されていないんだがね、なかなかいい代物だよ」 直感的に恐怖を感じ、夏生は弱々しく首を振ってそれを拒否する。無論それが通用するわけもなく、藤堂は錠剤を夏生の口の中に入れ、吐き出そうとするのを指で無理やり喉奥へと押し込み嚥下させた。 「すぐに効いてくるから心配はいらないよ。ほら、いつものように可愛く鳴いてごらん」 背後から覆いかぶさり耳元でそう囁くと、藤堂は再び夏生の中に自身を埋め込んだ。先ほどまでの行為で十分に解れたそこはすんなりとそれを受け入れ、そのまま激しく腰を打ちつけ始めると夏生の体はそれに合わせるようにびくんと跳ね上がる。 「気持ち良いだろう?これからもっと良くなる」
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