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「どうだい夏生、中岡くんにも一緒に気持ちよくしてもらうかい?」
「…して……いっぱい気持ちよくして…ぇ」
理性を失った夏生の口から漏れ出た言葉に、優介は思わず目を見開く。今まで聞いたことのない、甘く蕩けた声で紡がれた淫靡な誘いの言葉に、ぞくりと背筋が震える。
「ゆう、すけ…」
もう限界だった。名前を呼ばれた瞬間、それまで辛うじて保っていた最後の糸がぷつりと切れるのを感じた。
「俺……っ、失礼します!!」
優介は勢い良く立ち上がると、そのまま逃げるように部屋の前から走り去っていく。障子戸越しにその様子を眺めていた藤堂はくつくつと笑い声を上げた。
「ああ、帰ってしまったか。お前の淫靡な姿を見せてあげようと思ったんだが…残念だよ」
「は…あ、ぁあ……」
絶頂寸前まで追い詰められたまま放置されていた夏生は、再び自ら腰を振り始める。
「もう来ないかもしれないね、彼」
耳元でそう囁かれるも、身体の奥底から沸き上がる欲求に耐えられずその声すら耳に入らない。藤堂は再びくつくつと笑い声を上げると、嬌声を漏らす夏生の唇を塞いだ。
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