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簡単な身体検査のみで手続きは呆気なく済み、徴収人は今期分の金を手に取り早々に立ち去った。残った判人は手早く精算作業を済ませ、身支度をしながらこう話をまとめる。
「心配いりませんぜ。ちゃんと稼げるようになったらすぐに帰って来られますから」
「本当…ですか?」
「ええ。この子の働きにもよりますけど」
両親の手元に残ったのは僅かな金。すぐに底を尽きるのは夏生の目にも明らかだった。両親のために頑張らなくては―――幼心にそう思った。
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