今宵、素敵なきみと。

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「ぎゃうううう。にゃぎゃああ」(あら残念。避けられちゃった)  漆黒のきみが立ち上がり伸びをした。ピンと張ったセクシーなヒゲ。可愛らしく尖った耳。しなやかな尻尾が揺れている。その背中に月の光が降り注いで艶やかに光っている。ああ何てきみはいい雌猫(おんな)なんだ。 「うううにゃごうう。ううニャアああ」(逃さないよ。きみは俺のものさ) 「にゃニャアああ。うにゃにゃにゃニャアああ」(あなたにわたしが捕まえられるかしら)  再び走り出す前に、きみは俺を誘うように振り返り、ウインクした。 「ニャアああいうああアア」 「にぎゃニャウ!」 ーENDー
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