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(ちゃんとあったはずなのに、なぜ小便器が消えているんだ)
男はため息をついて、レストランの方へと向かおうとした。しかし、彼が向かおうとしていたのはイタリアンだった。万が一、彼女たちと行き先が被ってしまったら、食事どころではない。彼は諦めて公園に向かった。そこで一息ついて、何か違う事でもしよう。そう考えてベンチを探したが、空いているものがひとつもなかった。
(何でだよ!平日の昼間だぞ!ひとつくらい空いていたっていいだろう!)
彼がいら立っていると、スマホが通知音を鳴らした。またあのメールアドレスからだった。
「ポイントが上限まで貯まりましたのでイベントにご招待します。このメールを読んでから必ず24時間以内に最寄りのショッピングモールへとお越しいただきますよう、お願い申し上げます」
どんどん期限が短くなっている事に、男は恐怖を覚えた。思えば、このメールを読んでから悪い事しか起きていない。しかも、ただの不幸ではなく、納得できる説明がつかない不幸だから気味が悪い。彼はすぐに自宅の近くのショッピングモールに向かう事にした。不測の事態に対応するためには、良く知っている場所の方が良いだろうと思ったのだ。
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