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 腕に並んだ、丸い小さな傷痕(きずあと)。十年以上前の、バカな傷痕。  その横に、タバコの先を押し付ける。  オレンジ色の光が、皮膚(ひふ)の中に埋もれていく。  肌を()かし、肉を焼く。    くそムカつく。  半年経っても、忘れられない。逃げるように別れたあの男のことが、今も頭から離れない。    もう一度、あの白い肌に舌を()わせたい。  もう一度、あの男を抱きたい……。  肌の色を失った、ぐずぐずの丸い傷の横に、タバコの先を押し付ける。  オレンジ色の光が、皮膚の中に埋もれていく。  バカみてぇ。俺は、中学生のガキか……。
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