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 ◆  男とは、四ヶ月くらい付き合っていた。    仕事の打ち合わせでたまたま入ったバー。そこで働く男に声を掛けられ、そのまま男の家へ行った。  銀色の短い髪を立てた、長身の男。  薄暗いバーの中でも、整った顔をしているということは、はっきりと分かっていた。  でも、明るいところで見る男の顔は、思っていた以上に綺麗だった。  上瞼(うわまぶた)が少し垂れた切れ長の目と、口角がきゅっと上がる、薄く横に広い唇。  笑うと柔らかく可愛らしい印象で、男にも女にもウケる顔だろう。    この男なら、男も女も選びたい放題なのに、なぜオレなんかに声を掛けたのか、不思議に思った。  ただ笑っていないときの男は、黒目が少し上に付いた三白眼と、目のすぐ上にある、細く()りあがった短い眉毛(まゆげ)のせいか、恐怖を感じるくらい冷たく、(とが)った印象だった。
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