・・・。

4/4
46人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
 男はとにかく丁寧(ていねい)にオレを抱いた。  常に声を掛け、気遣(きづか)い、気持ち悪いくらい優しかった。  オレの体に真っ赤な舌を()わせ、体中を()めまくる男を、ヘビみたいだと思った。  砂糖を大量に入れたコーヒーみたいに、甘ったるいセックスだった。 「ねぇ、俺と付き合ってよ」  オレの何を気に入ったのか、ただの遊びなのか。それとも、いいおもちゃを見つけたとでも思ったのか、男が言った。  そして四ヶ月ほど経つと、男は別れを告げ、去っていった。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!