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「寒いな…」
と私はカウンターの端に座った。
トオルは私の前に来て、丸めたおしぼりで私の頭を叩く。
「馬鹿…」
痛い…。
「何だよ、今日はベース持って来たぞ」
私はトオルに言う。
「そうじゃねぇよ。お前…」
トオルは声のトーンを落として言う。
「お前、結構な有名人なんだぞ。帽子被るとかサングラス掛けるとか、何かあるだろ」
私は、納得して頷く。
「なるほど…。全く気付かなかった」
そう言うと、またトオルは私の頭を叩く。
「馬鹿…其の二」
「其の二…」
トオルは私が手に持っている缶コーヒーを取り上げた。
「此処はバーだぞ。コーヒー持ち込んでどうするんだよ」
そう言った。
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