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「邦楽ってそんなに難しいベースって少ないんだけど、中にはある。ただ、八十年代、九十年代の曲にそこまで凝ったベースラインの曲は少ない」
トオルが何枚かの譜面をカウンターに並べて見せた。
私にそんな知識はない。
どれも初めて見る楽譜で、確かにどれも難しそうでは無かった。
「まあ、音楽の基礎知識ってのが無いお前が、センスだけで此処迄やれているんだから、あんまり心配はしてないんだけどな」
私はマスターが淹れてくれたコーヒーを飲みながらトオルの話を聞いていた。
トオルは私の耳元で、
「これからタツキの奴がどんな曲をやるって言い出すかわからないからさ…」
そう言う。
ん…。
樹とまたやるの…。
「あ、そうだ…。タツキ、お前、宮脇の連絡先って知ってるのか」
私はスマホを開いた。
「確か、交換した気がする」
私は宮脇のSNSのアドレスを表示した。
「ほら…」
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