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私の手の中には、丁寧に折り込まれた数枚の紙の束があって、すぐに先ほどの手帳の切れ端だと気づきました。視線を正面に戻した私たちは、お互い言葉がないまま、どれくらい見つめ合っていたのでしょう。永遠にも感じたあの瞬間は、ほんの数秒だったはすです。
あなたは照れを誤魔化すように「急いでいるから」と言って去っていってしまいました。あの頃の手紙にも書いたはずですが、あなたからの手紙を受け取った私は、しばらく呆然と立ち尽くしてしまい、二分ほど学校に遅れたのが良い思い出です。
そして、あの切れ端が、あなたと私を繋げる初めての手紙になりましたね。
きっと勇気のいる行動だったんだと思います。見ず知らずの女子高生に手紙を渡すなど、想像するだけで顔から火が出てしまいそう。ですから、あの日のあなたの勇気には感謝してもしきれません。私の青春に強烈な思い出をくれたあの行動を讃えずにはいられないのです。
手紙にはこう書いてありました。
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