イケメン部長

11/22
前へ
/41ページ
次へ
三年生が最後となる大会が間近となったある日、顧問から団体戦メンバーが発表された。 団体戦は男女別で1チーム5人。 3年生は男子が3人、女子も3人なので必然的に下の学年から男女とも2人ずつチームに入ることになる。 2年の男子はいないので1年男子3人のうち2人が選ばれた。 団体戦のメンバーは顧問と師匠が話し合って決めたそうだ。 でも、弓道場に来てもいつもぼーっと座ってるだけの弓道未経験の顧問だからきっと師匠が決めたんだと思う。 外された男子は茉莉花先輩の信者っぽいやつ。 「いや先輩達と一緒とか無理っす。メンタル弱めなんで緊張で当たる気がしませんから。最近調子よくないし、メンバー外れてよかったっす。」 誰も聞いてないのにペラペラ言っていた。 女子も3年は3人なので2年から2人出て一緒にチームを組む。すると残りの2年は8人になるから、1年から2人出ればさらに2チーム組めることになる。 3年チームには部長候補の牧野先輩と、茉莉花先輩の取巻きの土屋先輩が選ばれた。実力から言っても、最近の的中率から言っても納得の2人だ。 さて、残りはどの1年が2人選ばれるか。 2年の団体メンバー発表前に顧問が言った。 「今回の団体メンバーは実力や、普段の練習の態度から選ばせてもらった。文句のあるやつも居るかもしれないが、今回はこれで行く。」 道場内がざわついた。 顧問の横で師匠が頷いていた。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加