イケメン部長

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その日の帰りは、陽菜と二人で怒涛の展開を振り返りつつ、どっちが告ったんだろーとか、じゃあ振ったのはどっち?とか、先輩達の恋愛事情を勝手に予想しながら帰った。 次の日。 陽菜が委員会で遅れると言うので一人で部活に行った。その日は師匠のお茶当番だったので少し早く向かった。 師匠のお茶当番というのは、急須でお茶を入れて…なんていう本格的なものじゃなくて、ただ師匠お気に入りのほうじ茶のペットボトルを学校の自販機で買って湯呑みと一緒に師匠の席に出すと言う簡単なものだった。ここの自販機でほうじ茶なんか買ってるの、お茶当番の弓道部員だけだと思う。 道場へ行く前に師匠のお茶代が入った財布、通称「お茶いふ」を持って自販機に向かった。 すると、自販機の前に背の高いイケメンが疲れた様子で立っていた。 部長だった。 部長は私に気づくとニコッと微笑んだ。 「あー、今日のお茶当番は七美かー」 「はい、そーなんです。」 返事をしながら思った。 え?名前呼び?っていうか部長って私の名前知ってたんだ。 そのくらい私と部長は接点がなかった。 だから突然名前で呼ばれて戸惑った。 何より昨日の今日で部長とどう接したらいいのか全くわからない!タイミング悪いな私! どーして今日に限って委員会なんだよ陽菜!!
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