完璧な先輩

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私に色々教えながら、お店が混んでくるとホールを手伝ったり、焼き場の田中さんに何か頼まれて冷蔵庫に食材を取りに行ったり、芳賀さんはみんなに頼られているみたい。 店長も芳賀さんだから私の指導係にしたんだろうな。 その日はアパートに帰ってからもふわふわしていた。 体は慣れない仕事と緊張とでめちゃくちゃ疲れていた。それなのに全く眠くなくて頭の中で今日芳賀さんに教えてもらったことを反芻していた。 「カクテルは右の棚の細いグラスで、生のグラスは冷蔵庫…」 芳賀さんはどこに住んでいるんだろう。 今日の帰りは初日だからと、先に帰らせてもらった。 でもこれからは一緒に帰れたりするのかな…なんて。 次のバイトは3日後…。もう芳賀さんに会いたいや。 芳賀さんも大学生だって言ってた。 どこの大学だろう。もしかして同じ大学かも! 彼女、いるのかな。 あんなに優しいし、かっこいいからいるんだろうな。 でも、いないって可能性もある! インスタとかやってるかな。探してみたけど見つけられなかった。 下の名前知らないし情報が少なすぎた。
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