完璧な先輩

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待ちに待ったバイトの日。 少し早めにお店に行った。 早く芳賀さんに会いたくて。 「お疲れ様でーす。」 事務所のドアを開けるとパソコンに向かう店長と、芳賀さんが喋っていた。 「おー佐藤さん!今日もよろしくー」 芳賀さんが手を振ってくれた。 ペコっと頭を下げて事務所の奥のロッカールームへと向かう。芳賀さんは店長の方に向き直って喋り出した。 「もーまじヤバかったですよー!天井まで行きましたから!」 「お前なー。そんなことよりちゃんと大学行ってるのか?就活だってあるだろ?」 「えー、店長までそんなこと言わないでくださいよー。大丈夫すよ、いざとなればスロプロになるから!」 「はぁー。俺はお前が心配だよ。今ちゃんとしないと俺みたいになっちゃうからなー」 「それもいいっすね!就職できなかったらここで働かせて下さいよ!」 なんの話してるんだろう。楽しそうな芳賀さんの声がドアを閉めたロッカールームの中まで聞こえてきた。 その声に耳をすませながら制服のTシャツに着替える。 就活ってことは3年か4年なのかな。なんだか店長に心配されてる。 芳賀さんって年上に可愛がられるタイプなのかも。
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