イケメン部長

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「えーそれって差別!2年が女子ばかりでがっかりだったってことですかー?」 口を尖らせて部長に迫ったのは校内でも美少女と有名な2年の茉莉花(まりか)先輩だった。 「いやっ、そうは言ってないでしょ。」 後輩からの突然の指摘に部長は慌てて否定した。 「部長が男女差別とかひどくなーい?」 茉莉花先輩は従えている2年生達に同意を求める。  「ひどーい!」 「かなしー」 茉莉花先輩のGoを受けて、2年達が口々に不満を漏らす。でも彼女達の顔は不満を言う顔ではなく、部長と絡めて悦んでいる女子の顔だった。 「わかったわかった、ごめんって。ほら練習はじまるよ!」 困った顔もイケメンの部長が謝っても茉莉花先輩は引き下がらなかった。 「えー?ごめんに心がこもってないよねー。」 それに同調して2年達がワーワー言って収まらない。でも部長以外の3年生男子2人は知らん顔。部長が2年女子達に囲まれているのはいつものことらしい。 たしかに部長と喋れたら嬉しいだろうな。 私なんて、入部届渡した時「あーはい。」って言われて以来、話す機会ないし。 「茉莉花うざ」 背中でボソッと聞こえた声はたぶん私と陽菜にしか聞こえなかったと思う。私達の後ろにいたのは3年女子の先輩達だった。
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