優しい先輩

完璧な先輩

バイト２日目はこうしてあっという間に終わった。

ロッカールームで着替え終わって出ると芳賀さんは制服のＴシャツの上にそのままパーカーを羽織って、開店前と同様に店長のデスクの横にいた。店長はその横でパソコンに向かっていた。
「佐藤さーん、写真確認しておいてねー！」
芳賀さんが手をひらひらと振りながら言った。
「ありがとうございます。お疲れ様でしたー。」
頭を下げて出口へ向かう。

「「はーい」」
返事をしながら何かに気づいた店長が芳賀さんに聞いた。
「写真って何の？」
「えー、ほら、先月店長が出したのそのまま全部飲まれて凹んでた時の写真すよ。」
芳賀さんがまたあの悪戯っぽい笑顔で答えた。

「はっ？お前まだあれ消してねーのかよ！？」
「ひゃひゃひゃっ！ウソウソ！ハンディーの写真！」

店長と芳賀さんは本当に仲良しみたい。
楽しそうな二人の声を背にドアを閉めた。