完璧な先輩

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店を出て自宅アパートまでは歩いて帰れる距離。 歩きながら早速スマホを開いた。 真っ先に芳賀さんからのLI□Eを開いた。 名前は… 「はが」 ただ平仮名で「はが」か。 残念!下の名前はわからないままだ。  アイコンは外国のコインかな? ホーム画面は…。 かわいいスイーツの写真。これデフォルトのやつだ。 まさかの設定なしかー! あんまりそういうのこだわらない人なのかな?そうなるとインスタとかもやってなさそう。 ハンディーというオーダーを入力する機械の写真はしっかりと送られていた。 お礼送ったほうがいいよね…。 「写真ありがとうございます♪ … ……。 どうせなら続く感じにしたいけど。 そういうのウザく感じる人もいるよね。 ここは簡単に、 「写真ありがとうございます♪ 早く覚えられるように頑張ります!」 とだけ送った。 返信がすぐにわかるようにスマホを握ったまま歩いていると、アパートに着く直前にLI□Eの着信音があった。 すぐに画面を見る。 画面の通知ですぐに芳賀さんから返信とわかったけど敢えてすぐには開かなかった。 部屋の鍵を開けて、部屋へ入って、電気をつけて、荷物を下ろして…。 最後にベッドに座って一呼吸ついて、メッセージを開いた。 グッドのポーズのスタンプと 「これからもよろしく!」 たったこれだけのことだけど、そのままベッドに倒れてしばらく悶えた。 バイト2日目を終えて、完全に芳賀さんのことを好きになってた。 仕事を教えてくれる時のお兄さんぽい感じも、店長とふざけ合ってる男の子っぽいとこも、お客さんに接する時の大人っぽい表情も。
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