イケメン部長

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「ねー、3年ウザくない?」 「「え?」」 今まで適当に同調してたけど、これにはさすがにどう答えていいかわからない。 「茉莉花、女子の先輩達ほんと無理なんだよねー。特に依田先輩とか。うまいからって威張りすぎじゃない?肘引いてーとか、筋トレやってとかさー。雨の日に矢濡らすなとか、じゃ自分で矢取り行けよーってなるよねー?」 「ははは、そうすね。」 茉莉花先輩の下僕と化した男子が考えもなしにヘラヘラと答えた。うわー、ないわコイツ。  依田先輩が言うことは、いつまでも下手な茉莉花先輩を思ってのことだと思えた。矢のことだって弓道の道具は高価な上、濡らせば簡単に傷んでしまうから濡らさないようにと一番最初に教えられたはずだ。 というか、依田先輩も茉莉花先輩のこと嫌ってるんだった。こうなると依田先輩に同意しかない。 茉莉花先輩は止まらなかった。 「それに、由紀先輩?お菓子ばっか食べててさー。だから太るんだよー。茉莉花ならあんなに太ったら学校休むけどな」 「うふふ、そうすね」 もー男子、お前だまれよ。お前らも由紀先輩にお菓子もらったことあるだろ。 「柚香先輩もさー、ほんと勉強しか興味ない感じ?あでもあー見えてあの人、部長狙ってるから。」 「そーなんすか?知らなかったす。」 最下層男子、ほんと黙って。これ以上聞いてられない。 「わかんない?いっつも部長のこと見てるから!茉莉花すぐに気づいたよー。じーっと見てるの。すごい見てる。部長、誰にでも優しいからさー」 茉莉花先輩が不満気に髪をいじりながら言った。
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