イケメン部長

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「えでも部長彼女いるじゃないすか?」 底辺男子は彼女が誰とまではわかってない様子だ。だから言えたんだろう。 「え?やだっ!誰から聞いたの?ちょっ、やばっ!」 茉莉花先輩が嬉しそうに慌てた。 1年女子は完全に白けていた。 「部長よく彼女の話してるっすよ。なあ?」 「うん、してるしてる。誰なのか知らないけど同じ学校って。」  部長、この底辺男子達とゲームの話だけじゃなくて恋バナまでしてたのか。ちょっとひいた。 でもこれを聞いてテンション上がり切ったのが茉莉花先輩。 「やだー!なんて言ってた?彼女のこと。どんな風に話してた?」 茉莉花先輩に詰め寄られて、たぶん明日死ねるくらい幸せそうな、空気読めない男子が答えた。 「えええっと、かわいいとかっす。あ、あと優しいとか?」 「そーなんだーー!そんなこと言ってたんだー!やだー!」 茉莉花先輩は赤くなった顔を両手で覆った。 「もしかして彼女って佐野先輩なんですか?」 茉莉花先輩の様子に、空気読めないゲームヲタ底辺男子がさすがに勘づいた。 「え?やば、バレちゃったぁ?内緒にする約束なのにー」 「そーなんすか!?すげーお似合いすねー」 底辺男子がハートブレイクしながら健気に誉めていた。 「茉莉花と部長が付き合ってることトップシークレットだから!知ってるのは2年のほんの一部の女子だけよ!このことは茉莉花と1年ズとの秘密だからね!」 茉莉花先輩と秘密を共有できてなんだかんだ嬉しそうな下僕1年男子達と、愛想笑いがほぼ引き攣っている女子は頷いた。
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