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暫くお互い無言で抱き締め合っていた。
「抱き合うのって……こんなに心地よかったっけ? 」
柏木の肩で深沢が囁いた。
「だよね。僕もそれ思った」
柏木も深沢の肩の上に顔を乗せながらそう囁く。
「大和。お前いつから元カレに触れてなかったんだ? 」
柏木は天井に目をやって考える。
「んー。覚えてない。かれこれ一年近く? 同棲始めた途端、直ぐ浮気に走ったんだよあいつ。信じらんない」
深沢がふっと笑った。
「そう言えば俺も一年近く全く触れられてなかったような気がする。
なんか、たまに誘ってみると向こうがまるで汚いものでも見るような目ぇしてた。
よっぽど俺のこと嫌いだったんだ。
……しょうもねえな、俺」
柏木は目を瞑って言葉を紡いだ。
「辛いね」
「だな」
「ねえ、フカっちゃん」
「ん? 」
「キス、してみない? 」
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