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肌を存分に重ね合い、互いに手伝ってもらいながら別々に果てた二人は幸せな気持ちで満ち足りていた。
深沢はソファに腰かけると、一服する。
そして煙草を吸い終わると、洗面所へと足を運んだ。
どうしたんだろうと気に留めたが柏木は声をかけなかった。そのままベッドの上にいて、床に落ちた服を広い集めそれを纏った。
暫くすると深沢が戻ってきて、そそくさとベッドに入って柏木の隣にピタリとくっついた。
彼が動く度に歯磨き粉のマイルドミントの匂いが漂ってくる。
「歯、磨いてきたの? 」
「ああ」
「寝る? 」
「違う。またキスしたいから。ヤニ臭いよりはこっちの方がいいかなって」
そう言いながら柏木の頬を両手で包み込んで、上からとびきり優しいキスを落とした。
柏木は先程の余韻も残っており、幸せすぎて怖いくらいだと思った。全て身を預けて、なすがままにされた。
キスが終わると深沢が柏木の上から離れた。
「よし。寝るか。ぴたりとくっついて」
「人肌の温もり、この一晩でマックスにチャージしとかなきゃね」
「だな。それでまた明日から頑張って生きていけるな」
そんなことを言い合いながら笑った。
「じゃあ、電気消すぞ」
「うん、お休み」
「お休み」
二人はそのまま朝まで眠りに着いた。
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