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魔法猫のオシマくん!
「僕と契約して、魔法少女的なやつになってよお!」
「無理!」
目の前に現れた、モチにツノが生えたみたいな謎生物に。俺は即答した。
いや、いくらなんでもツッコミどころが多すぎるではないか。
ここは俺の自宅のベランダ。
突然空から降ってきたのはモチキンチャクみたいな白い謎生物。しかも喋る。
でもって俺を見て、開口一番に言いだしたのがコレである。もう少し相手を選べと言いたい。何故ならば。
「あの、俺、人間じゃないんですけど?」
俺の名前はオシマ。
茶色のシマシマ模様が特徴的な、雑種猫である(元野良猫なんだから、血統書もクソもあるはずがない)。
年齢は十歳。
これも正確な年齢かどうかは微妙。医者が“多分そんくらいだろ”と言っていたからそうなっただけ。俺自身、正確に生まれて何年過ぎたかなんて覚えちゃいない。
猫の十歳って、人間で言うところの中年のオッサンなのだが。
つまり俺様、性別的にもオスなのだが。立派なものがシッポの下にくっついているわけだが。
「魔法少女なるものがどういうものかは、オタクな御主人様の影響でよーく知ってますとも。……普通あれ、可愛くてロリな人間の女の子がなるやつでは?なんで猫の俺?しかも中年のオッサン猫?間違ってね?どうして俺を選んだのさ」
俺の問いに。
白いモチにツノが生えた生き物は、身も蓋もない答えを言ったのだった。
「抽選」
いや、そんなアホな。
「抽選なら仕方ないな……ってなるかーい!」
俺は思いきり、モチの顔面に猫パンチをお見舞いしたのだった。
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