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アルティメット選択
半狂乱の商社マンくんが段々とスローモーションになって行き、合わせて場面の色味がスーっと漂白された後ハッと気がついた。
遠いのか近いのか、上なのか下なのか、自分以外の目印は何も無く、立ち上がろうにも力が入らずに、しばしふわふわとしたまま、随分そのままだったようでもあるしすぐだったようでもあるし、白の中から強い光が浮き上がり、言葉の様な、ただ私だけにはハッキリと聞き取れ理解できるイメージが語りかけてきた。
「貴女は今、死の淵にいます」
「このまま何もせずに過ごすと、黄泉の世界へ旅立つこととなりますが、一つだけ助かる選択肢が残っていましたのでお知らせにあがりました」
「選択は貴女に任されています。どちらを選択されるのも自由ですが、生を選択された場合貴女にとって大切な物1つと引換になります」
「大切なものはこちらが選定致しますので、生を選ばれる場合は、それ相応の覚悟をお願い致します」
「それでは、下記よりお選び下さいませ」
① 存命
② 落命
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