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人が死ぬ事に対して深く考えた事は無かったし、自分の死となれば尚更関心も薄い、まだ28である。
加虐嗜好の強い絞首癖の鳶職人に絞め落とされて失神した時が、今の状況に一番近いのだと思うけど、あれはあれで楽しかったし、間際となった今も死の選択に焦るような感情は別に無い。
大切な物を1つと言われても、
〝対戦相手〟
という答えしか浮かばない。
好敵手が得られない世界は存在する意味がない。
まぁ、いずれは死ぬわけだから一度生き返ってみて、あまりにつまらんなら又死ねば良いだろう。わざわざ問い合わせてくれるという事は生き返る方がレアっぽいし。
他の大切な物が浮かばないという事は、引換えるのは対戦相手で間違いないだろう。
まぁなる様になるだろうと①の存命を思い浮かべると、右の目からスーッと色彩が差し込んだ。
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