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足で猫を撫でようとするなどと猫好きに怒られそうな話だが、その時の私は手よりも足の方が“それ”に近かったし、まず触れたくて仕方なかったのだ。
ふわふわな毛並みに触れるはずだった私の足が触れたのは、正反対のすべすべとした感触のものだった。
さながらそれは人の肌のようだった。
「――――」
なんと言っているのかは聞き取れなかったが、およそ愛らしい猫とは思えない気味の悪い声が聞こえた。
ゾッとして、一瞬にして目が覚めた。
時刻は夜中の4時。
電気をつけて布団をめくった。
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