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これは私が最後に遺した文。
私は小説家でも何でもないただの主婦。
だから、これは小説とも遺書ともいい表せない、私の告白だ。
これを信じるかどうかは…
あなたしだい
「執着が醜くて諦めが美しいと思っていた。だから私は■■■を殺してしまった。」
「我が妹ながら、よくわからない文を遺してくれたわ」
「我々もそう思いました。
といっても、冒頭部分しか見てませんでしたが。あなたの妹、礼花さんが遺したものですから、お姉さんに最初に見せたほうがいいと思いまして」
「お気づかいありがとうございます」
「いえ」
警察って意外とそういう気づかいができるのね。いや、そこは今はどうでもいい。
…まだ始めしか読めてない。
けど、なんなの?
この、■■■の部分。誰を殺したの?
礼花が遺書として遺したものには、礼花が「自分の夫とその同級生を殺した」
そうあったのに…
わざわざこうして隠したということは、それは違ったの?
わからない。
礼花、教えて。
あなたはいったい誰を殺したの?
それとも…本当は、誰も殺してないの?
「大丈夫ですか?」
「はい…いえ、正直そこまで大丈夫じゃないです。けど、気を強くもたないと、すぐ泣き崩れてしまいそうで…
あの、この文、持ち返ってはだめですか?」
少し考えてるみたい。上司っぽい人と相談してる。
「その文をコピーして、コピーしたものだったら持ち返ってもよさそうです。
その代わり、公開しないで下さいね」
「はい!」
じゃあ少し待ってて下さいと警察の人は消えてった。
礼花、あなたがいったい何を考えてたか、これを読んだら、少しは理解できるかしらね…
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