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[1413] 小説、二代目王女モドキ物語~親しい人を蘇らしたい~
二代目王女モドキは、人間だったころ、赤いしっぽがなかったころ、人間であるのに、目が合計4つあった。
そんな人間は、なかなか生活するのが大変であった。
人間は、多数派でないものに冷たい。
仲間外れにされた。
だから、二代目王女モドキは、自分を悪く扱うものに、報復すべく力を求め、力を持って自分強制的に理解させ認めさせる。考えを持ち生きていた。
もちろん力だけじゃなく、人々の同情や共感を得るために、日記や文章による認めてもらう作戦も、行った。
そんないきさつで彼女は、なんとかここまでたどり着けた。
そんな過去を思い返したあと、二代目王女モドキは、故郷の刀土国を出て、人よらずの森にある住みかの屋敷に戻って来ていた。
そして、屋敷の近くにある墓から、二人の人間の骨を掘り出した。
そして、過去にルウォルという男が届けてくれた初代王女モドキの骨もまた、屋敷の引き出しに閉まっておいたところから出して、本沈みの沼に投げ入れた。
通常生前、本沈みの沼の力で人よらずの怪物になれば、本沈みの沼の力が及ぶ人よらずの森から離れたところで死なない限り回収され、何度でもよみがえる。
だが、ルウォルから聞いた話では初代王女モドキは、自ら死を望み生き返りを拒否していた。そして、その後、骨になり生き返ってこない。
王女モドキは、おそらく、生き返るのを拒否したから蘇れない。
なら、どうすればいい。
しばらく沼の前で草の上に座り待ち続けた。
キラメアの骨も、香乃の骨も再生しない。
当然だ。彼女達は、生前、人よらずの怪物になっていない。
一か八かやったが、うまく行かなかった。
さて、これからどうするか、考えた。
二代目王女モドキは、悩んでいた。
彼女の最も望ましいことは、キラメアも香乃も、初代王女モドキもよみがえり、また、みんなで生活することだ。
そうやって悩んでいると、沼から声が聞こえた。
「王女モドキをよみがえらせたいなら、生け贄を用意しろ、強い強い生命力を使って骨に命を吹き込もう」
二代目王女モドキは、はっとした。
強い生命力の持ち主と言えば、誰か、思い当たる節は、あった。拒絶のレレラというへびだ。
二代目王女モドキは、奴を生け捕りにすることを決めた。
だが、それは、難しく。戦いを奴にしかけたが、勝利はなく逃げ帰った。
奴は強い。
沼の前で泣いていると、本沈みの沼は答えた。
生命力なんて本当は、いらない。王女モドキは、沼の力がおよぶ森で亡くなっていて、彼の心、つまり、脳は回収できている。全てをどろどろの液体に変換してだが、回収している。王女モドキが死を望み骨に変えた時、脳だけは、頭蓋骨の中に、無事に入っていた。それを回収したのだ。
奴の心=脳さえ、説得できるなら、よみがえることは、可能だ。
人よらずの怪物がよみがえるに大事なものそれは、脳と契約だ。
沼と契約したものは、赤い二本のしっぽを与えられ森の戦士になる。そして、森の支配下で亡くなった場合は生き返る権利を与えられる。
ようは、権利を得るだけで、強制ではない、本人が生き返る権利を行使する意思が、まったくなかった場合は、生き返らせようとわざわざしないだけだ。
だが、今回、二代目王女モドキの嘘の条件を突破しようとする姿を目にして彼は、心を入れかえたみたいだ。
沼の中に溶け込んでいた彼の心が個としての復活を望んだ!
彼はよみがえる。
二代目王女モドキの前に初代王女モドキの彼は、沼から這い上がり現れた。
そして、二代目王女モドキの頭を撫でた。
そのあと、二代目王女モドキは、もうアタシが王女モドキを名乗らなくていいというと、沼にお願いし、沈みこみ、姿をていかく・こえの姿に完全に戻した。もう、切り替えることは、できない。
妻野とキラメアは、生前に人よらずの怪物に沼と契約しならなかったからどうやってもよみがえることは、できない。
それは、悲しいが、1人でも親しい人が戻ってきて良かった。
二代目王女モドキは、ていかく・こえの姿で頭をまた、初代王女モドキに撫でてもらって微笑んだ。
[end]
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