羊羹師匠

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ふと、耳を澄ますと、猫の声が聞こえます。 私は周囲を見渡しました。 猫の声に交じり、シズカがクンクンと言っておりました。 私はシズカの顎を撫でて、 「どうしたシズカ…」 とシズカの前にしゃがみ込みました。 すると、シズカの小屋の中に猫の親子が入っているのが見えました。 私はその様子が面白くて、先生の肩をポンポンと叩きました。 「先生…。見て下さい」 先生は振り返って、シズカの小屋を覗き込まれます。 その光景に先生は一気に笑顔になられました。 「お前たち、其処に居たのか…」 と先生は遠巻きにシズカの小屋の中を見ておられました。
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