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「えーと それと、あれと、あとリンゴをください」 「あいよ」 クリスは村の市場で食材を購入している。 「オマケしといたよ。また、頼むよ。村を厄祭から守ってね。クリス」 「ありがとう。おばちゃん」 おばちゃんから、食料品がパンパンに詰まった紙袋を渡され、クリスは笑顔でお礼を言った。 クリスは買い物も終えて、村から出ようとすると後ろから「おーい!!」と声が聞こえ振り返った。 振り向くと白い息を吐き、柔らかそうなブロンドの髪を揺らしながら男の子が走ってきた。 走ってきたのはマスターの子供のロイで、なぜか僕に憧れる男の子だ。 「クリス。帰ってきてたんだ」 「あぁ、ロイ。久しぶり」 「生きてるってことは成功したんだね」 「もちろん!!」 「すげぇな。クリス!! 俺も早く大きくなってクリスみたいにモンスターをガンガン殺して村を厄祭から守りたいなぁ~」 「そっか…。 じゃあ、マスターの言う事をよく聞いて、好き嫌いなくご飯を食べて、強くならないとね」 クリスは複雑な気持ちを抱きながら、ロイの夢を応援する。
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