保護猫

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キキー!急ブレーキの音で車が止まる。 「やっちまったか」 運転手の男は青ざめた顔で道路に降り立つとタイヤに引かれた猫が横たわっていた。「きゃぁ!猫殺し」 近くにいた主婦がヒステリックに叫んだ。 「これで俺は死刑確定か…」運転手の男は落胆した表情で落ち込んだ。 事故現場に人達が集まってきた。 「なんてひどいことを」 「猫殺しは罪が重いからな」 ひそひそと陰口をたたく人達。 ノラ猫が増えないようにと動物愛護団体が去勢手術を開始した結果、街にいたノラ猫の数は減少しすぎて絶滅危惧種に認定されてしまったのだ。 その結果、国をあげて猫を保護する方針となり、猫を粗末に扱う者には法律違反で重く罰せられることとなった。 ノラ猫の亡骸に別のノラ猫が道路を渡ろうと姿を現し近づいて猫語で話しかける。 「もうすぐネコ人間に進化できるというのについてないな?お前」 この法律が猫の未来に変革をもたらしたことを人々は誰も気が付いていない。 END
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