悪夢と酒浸りの日々

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乱雑にテーブルに置かれたグリフィス王国新聞のトップ記事には、デカデカと【速報!!聖女リリーツェ・エルナーと王太子ライオネル・グリフィスが結婚を発表ッッ!! Sランク冒険者エドワルド・ガジェットとはすでに破局していたっ?!】と、下品なフォントで書いてある。 (結局、エド……捨てられてるんじゃない。信じられない)  エドワルドは冒険者だったメルセデスの父親の弟子だった男で、高い神聖力と剣技を併せ持つ剣聖と呼ばれる存在だった。  ゴシップ新聞は、エドワルドが自らの過去にまったく固執しない性格なのをいい事に、彼の出生を暴いては色々嗅ぎつけ、面白おかしく書き立てている。  だが、今回の記事は王室関係のものなので、信憑性は非常に高い。  エドワルドはどこぞの貴族の庶子で、幼い時から無理やり神殿に孤児として入れられていた。   しかし、その高い能力で十三歳ですぐに冒険者としてギルドへの登録を果たし、その五年後には歴代最年少でSランク冒険者として名を馳せて行ったそうだ。  エドワルドのその辺の物語以上のロマン溢れるサクセスストーリーは、世の男子の心を掴み、他国にも語り継がれるほどだった。  
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