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7ー13 世界の終わり
クロエは、俺に説明してくれた。
「この子猫たちは、フィオルの子でしょう。そして、この子犬の方は、白狼族の子供のようですね。お心当たりは?」
俺は、はっと息を気づいた。
この2人の赤ん坊の父親は、テオに違いなかった。
間違いない!
だが、この白狼族の子供っていいうのは?
俺は、ガイとテオとしか寝ていない。
もしかして、ガイは、白狼族なのか?
でも、俺は、人の姿のガイしか見たことがなかったし。
まあ、父親が誰であれみんな俺のかわいい子供たちだ。
俺は、真っ黒な毛色の子猫をルーミア、薄い緑色の毛色の子猫をエリエル、最後の白銀色の子犬をレクルスと名付けた。
「いい子たちだ」
シロアは、子供たちを自分の子のように抱いてあやしながら呟いた。
「この子たちは、強くなるぞ」
「俺たちは、いつになったらもとの世界に戻れるんだ?」
俺は、シロアに訊ねた。
シロアは、困惑した様な表情を浮かべていたが、やがて、俺に告げた。
「お前をもとの世界に戻すことはできない。最初に言った筈だ。お前は、私の番なのだからな」
はい?
俺は、きっ、とシロアを睨み付けた。
「俺には、たくさんの番がいる。もう、そういうのはいらねぇんだよ!」
「しかし」
シロアは、ちょっと傷ついた様子で俺をちらっと横目に見た。
「星読みの予言があったんだ。私の子を産む者は、お前だけだと」
「そんなこと言われても」
俺は、ぷぃっとそっぽを向いた。
「俺は、そんなこと知らん!」
シロアは、この世界の魔王で、魔王城の核である俺に自分とともにこの世界に生きることを望んでいるようだったが、俺には、それは受け入れがたいことだった。
「どうしても、俺は、もとの世界に戻る!」
「しかし、もうすぐお前がもといた世界は滅びるんだぞ、『聖王』」
シロアが俺に話した。
「もう一つの魔王城のある世界は、じきに滅ぼされるのだ」
「なんで?何に?」
俺の問いにシロアは答えた。
「世界を破壊する破壊獣が到来し、世界を破壊する。だが、安心しろ。こちらの世界は無事だし、こちらが無事ならもう一つの世界もすぐに甦るだろう」
マジでか?
俺は、一刻もはやく戻ってこのことをみんなに伝えなくてはと思った。
だが、シロアは、俺を帰らせてはくれそうになかった。
この世界からあちらの世界へと戻るためには、シロアの力が必要だった。
俺は、焦っていた。
はやく、みんなに伝えなくては!
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