午前7時、雪のホーム

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< 降雪の影響により、運転を見合わせておりますーーー >    繰り返し流れるアナウンスが、酷く無機質に聞こえる。電光掲示板を流れる文字は、いくら見つめても変わりはしない。  ホームの柱に取り付けられたベンチで、私はひとり、途方に暮れていた。  どうして、今日に限って運休なんか。  ーーいや、もしかしたら、冬の時期は珍しくないのかもしれない。駅舎への階段を埋める人々は、唇まで凍ってしまったように、ほとんど文句も言わず、スマホを片手に犇めき合っている。  普段、バスか徒歩かの移動しかしない私の頭には、ニュースで伝えられる運休や遅延の情報が引っ掛からなかっただけなのだろう。  静かに吐いた溜息は、真っ白に色づいて外気に溶けた。  自分に言い聞かせて納得しようとしてみても、やはり、簡単に飲み込めるものではない。  私には、今日、この朝しかなかったのだ。彼に会いに行くチャンスは。  40デニールに透ける肌は、吹き込む雪混じりの風に、うっすらと赤らんで見えた。黒のタイツなんて、薄っぺらなのしか持っていない。それでもよかったのだ、今までは。  こんな真冬にスカートなんて穿かない。まして、高校生の時以来、縁がないまま生きてきたのだ。葬儀なんて。
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