お骨拾い

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「そう、そのかわり命がけや。ゴビ砂漠に行ってもらう。そこで、一日五十キロ以上のお骨を拾ったら十万円や。一ヶ月で三百万円、休みの日もあるから一年で三千万円やで」 「お、お願いします」と頼んでいた。  翌日、男といっしょに飛行機に乗り、飛行場からジープにゆられて三時間、ゴビ砂漠に着いた。火ばさみのようなものと円柱のかごを背負わされ、 「さあ、今から五十キロ以上のお骨を拾ってくるんや」  とだけいって、男はジープに乗って消えた。  茶色の砂地に白いお骨が埋もれているのが散見している。かなり大きなお骨もあれば、小さなものもある。  ひたすら拾いまくった。  腕時計が無いので時間がまったくわからず、永遠に歩き続けているような気がする。渡された大きめの水筒には水がたっぷり入っているが、これが命綱のような気がしてちびりちびりと飲むようにする。
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