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フリーターの私がアルバイトの求人雑誌で『お骨拾い』という言葉を見つけたのは、二十三歳になった七月三十一日のことである。
『委細面談』とだけ書かれており、興味をもった私はさっそく行動にうつした。
書かれていた住所に行くと小汚いプレハブ小屋が建っている。中に入るのを躊躇したが、せっかくここまできたのだからと軽くノックしてから重たい玄関のドアを開け中に入った。
書類に埋もれるような事務机の椅子から目つきの鋭い初老の男が振り返る。
男が何もいわないので、
「あのー、おほねひろいの求人を見てやってきました」
と声をかけた。
「ああ、おこつひろいね。まあ、すわって」
と小さな丸椅子を差し出した。
「これは、給金がええんや。日当十万円」
「十万円?」私の声が思わず裏返る。
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