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「ひとりで月を見てはいけません」
と、良成は昔、母親に言われた。
なので良成(ヨシナリ)はひとりの時には、夜空を見ないようにしていた。
けれど、今夜はもうすぐ恋人の壱馬(カズマ)が来てくれる。
二人で、存分に月夜を楽しもう。
良成は、心をときめかせた。
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「ああ…壱馬様、お待ちください…」
「待てぬ…すぐに、そなたが欲しい」
荒々しく着物を剥ぎ取られ、月を見る余裕もなく組みしだかれる。
「ああ…っあっ!お許しを…壱馬様…」
良成は霰も無い姿にされ、壱馬に玩具のように抱かれた。
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壱馬には正妻があり、良成は男でありながら、日陰の身だった。
けれど、こうして満月の夜に壱馬が
訪ねて来てくれることを心待ちにして、日々を送っていた。
情事を終え、寝床で壱馬の胸に寄り添いながら「今宵は月が綺麗です」と良成は言う。
「そうか」と言ったきり、壱馬はそこから動こうとはしなかった。
「身体は痛まぬか。また無理な抱き方をしたが」
壱馬は良成の頬を包む。
「はい、大丈夫でございます」
良成は、上目遣いに壱馬を見て微笑んだ。
「そうか」
壱馬は身体を起こし、着物を羽織る。
「月を見たいのか?」
「はい!」
良成は、嬉しくて慌てて着物を羽織った。
「慌てぬでもよい」
壱馬は、愉快そうに言い、良成が着物を着る邪魔をする。
着たものをまた脱がせ、乳首に吸い付いてきた。
「ぁ…っ!おやめ下さい…」
あまりに急に吸われ、良成は膝から崩れ落ちる。
壱馬は、もう一度、と良成を組みしだいた。
「壱馬様…もう…」
良成の中心がはち切れそうになっている。
壱馬は、舌なめずりをしてそれを深く咥えた。
「ああっあぁっ…お許し下さい…」
良成は、恥ずかしさで顔を覆う。
こんな屈辱は初めてだった。
「あぁ…あぁっ…」
何度も出し入れされ、耐えきれずに良成は、白濁を散らす。
「も、申し訳ありません…このようなみっともない……」
恥ずかしさで、顔を覆う。
壱馬は「気にするでない」と笑いながら柔らかな布でそれを拭ってくれた。
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