six

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「ごめん、尚。僕は席を外すから、父さんと母さんと話してもらっていい?」 「何で⁉︎」 俺のことをご両親に認めてもらうことが一番の目的とは言え、一応、俺と伊春の問題だよな……? ていうか、伊春がいないと上手く説明出来る自信ないけど⁉︎ そんな俺の不安をよそに、伊春は本当にリビングから出て行ってしまった。 マジかよ。 リビングには三人きりになってしまった。 この状況で、何をどう切り出して話せばいいんだっつーの! とりあえず雑談から入ろうかと思い、俺は伊春のお父さんに 「さ、さっき伊春と話していた〝あのこと〟って何のことですか?」 と尋ねてみると、伊春のお父さんは、さっきの穏やかな笑顔のままこう答えた。 「あのことというのは、伊春の身体のことだよ」 「え?」 「伊春はな、生まれつき心臓が悪いんだ」 「え……?」 心臓が、悪い……?伊春が……? 「あ、ごめん。そんな顔をしないでくれ。子供の頃は大変なこともあったが、現在は薬を飲んでいれば日常生活に大きな問題はないんだ」 「薬……あ」 前に伊春が飲んでいたあの薬……やっぱりサプリなんかじゃなく、心臓の病気の薬だったのかと密かに納得していると、今度は伊春のお母さんが口を開く。 「アルファの子って、一般的に幼少時代までは大きな病気をしないって言われているの。だから伊春が生まれてすぐに心臓の病気が判明した時、当時一緒に暮らしていた伊春の祖父は〝初孫なのにアルファじゃなくてベータかオメガか〟って凄くガッカリして……あ、尚君はオメガなのにこんな言い方してしまって申し訳ないけれど……」 「い、いえ、俺は別に……。それで、伊春のおじいさんはその後……?」 「うん……伊春には、いつも冷たく接していたわ。オメガの人をとにかく嫌っていたから……」
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