six

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「ちゃんと自分で伝えなさいって言ったんだけど、上手く伝えられる自信がないなんて珍しく頼ってくるものだから、私達の口からこうしてお話しさせてもらったの」 しばらく黙っていた伊春のお母さんが、控え目な口調でそう言った。 「はい。色々教えてくださってありがとうございます。……もしものことなんて考えたらキリがないですし、伊春がどんな事情を抱えていても俺の気持ちは変わらないです。だから……この先のことは、伊春と二人でちゃんと決めます」 俺がそう答えると、ご両親はにっこりと笑って「ありがとう。尚君自身の気持ちを、一番大事にしてね」と言ってくれたーー。
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